顧客資産の
分
別
管
理
Q&A
( 改訂第3版)
は じ め に
平 成 1 0 年 1 2 月 に 施 行 さ れ た 証 券 取 引 法 の 改 正 に よ り 、 証 券 業 に 係 る 顧 客 資 産 の 分 別 保 管 が 法 定 さ れ 、 顧 客 か ら 預 っ た 有 価 証 券 ・ 金 銭 に つ い て 分 別 保 管 を す る こ と が 義 務 付 け ら れ ま し た 。 こ の 義 務 違 反 に 対 し て は 罰 則 が 用 意 さ れ て い る こ と か ら も 分 か る よ う に 、 証 券 界 に と っ て 大 変 重 要 な 制 度 と 位 置 付 け ら れ て お り ま す 。
本 協 会 で は 、 分 別 保 管 に 関 す る 法 令 諸 規 則 を 適 正 に 遵 守 す る た め 、 各 方 面 か ら の 問 い 合 わ せ を 整 理 し 、 行 政 当 局 に も 必 要 な 照 会 を し た 上 で 、 翌 1 1 年 4 月 の 本 格 実 施 に さ き が け 、 分 別 保 管 の 実 務 的 な 解 説 書 と し て 「 顧 客 資 産 の 分 別 保 管 Q & A 」 を 編 纂 い た し ま し た 。
そ の 後 、 平 成 1 4 年 5 月 、 自 主 規 制 委 員 会 の 下 部 機 関 と し て 「 分 別 保 管 の 外 部 監 査 指 針 等 の 策 定 に 関 す る ワ ー キ ン グ 」を 設 置 し 、「 顧 客 資 産 の 分 別 保 管 Q & A 」の 見 直 し に つ い て 検 討 を 行 い 、改 め て 行 政 当 局 に も 必 要 な 照 会 を し た 上 で 、 平 成 1 5 年 6 月 に 「 改 訂 版 」 を 編 纂 い た し て お り ま す 。
ま た 、 平 成 2 2 年 4 月 よ り 、 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 に 係 る 分 別 管 理 義 務 が 導 入 さ れ る こ と を 受 け ま し て 、 あ わ せ て 、 こ れ ま で の 法 令 改 正 等 を 踏 ま え ま し て 、「 改 訂 第 2 版 」 を 編 纂 い た し て お り ま す 。
今 般 、 平 成 2 3 年 2 月 に 、 公 認 会 計 士 又 は 監 査 法 人 の 監 査 を 受 検 す る 際 の 取 扱 い を 明 確 化 す る た め 、日 本 公 認 会 計 士 協 会 と も 協 議 の 上 で 、「 改 訂 第 3 版 」を 編 纂 す る に 至 り ま し た 。
本 書 が 、 日 頃 、 業 務 を 行 う 会 員 の 役 職 員 を 始 め 、 外 部 監 査 等 を 行 う 監 査 法 人 及 び 公 認 会 計 士 の 方 々 等 に 広 く 御 利 用 い た だ け れ ば 幸 い で す 。
( 注 ) 本 文 中 に 使 用 し た 略 称 は 次 の と お り で す 。
「 金 商 法 」 … 金 融 商 品 取 引 法
「 施 行 令 」 … 金 融 商 品 取 引 法 施 行 令
「 府 令 」 … 金 融 商 品 取 引 業 等 に 関 す る 内 閣 府 令
「 告 示 56 号 」… 分 別 管 理 の 対 象 か ら 除 か れ る 有 価 証 券 関 連 取 引 を 指 定 す る 件 ( 平 成 1 9 年 8 月 金 融 庁 告 示 第 5 6 号 )
「 告 示 57 号 」… 顧 客 分 別 金 信 託 に つ い て 保 有 で き る 有 価 証 券 、預 金 を す る こ と が で き る 金 融 機 関 等 を 指 定 す る 件 ( 平 成 1 9 年 8 月 金 融 庁 告 示 第 5 7 号 )
「 告 示 58 号 」… 顧 客 分 別 金 信 託 に つ い て 信 託 す る こ と が で き る 有 価 証 券 等 を 指 定 す る 件 ( 平 成 1 9 年 8 月 金 融 庁 告 示 第 5 8 号 )
目
次
1.総 論
Q1:分別管理とはどういうことですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 Q2:分別管理しなければならないのは、どのような取引ですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 Q3:分別管理の対象外の取引に係る金銭等を分別管理してはいけませんか。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2 Q4:分別管理義務に違反した場合どのようになりますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 Q5:分別管理の義務は、金融商品取引業者のみにかかるのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2.有価証券の分別管理
Q6:有価証券はどのように分別管理すればよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 Q7:「金商法」43 条の2・1項で分別管理しなければならないとされている「顧客か
ら預託を受けた有価証券」及び「その(顧客の)計算において金融商品
取引業者等が占有する有価証券」とはどのようなものですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 Q8:「金商法」43 条の2・1項で分別管理の対象から除かれている「契約により
金融商品取引業者等が消費できる有価証券」とはどのようなものですか。 ・・・・・・・・・・・・・ 5 Q9:「府令」136 条にある「顧客有価証券以外の有価証券」には、自己の固有財
産である有価証券のほかにどういうものが含まれるのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 Q10:「府令」136 条1項1号に、「顧客有価証券の保管場所について固有有価証券
等(顧客有価証券以外の有価証券)の保管場所と明確に区分し」とありま
すが、そのためには金庫を別々にしなければならないのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 Q11:「府令」136 条にある「どの顧客の有価証券であるかが直ちに判別できる状態
で保管することにより管理する方法」とはどのような方法ですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 Q12:金融商品取引業者等が自社で保管せず、アウトソーシング先(第三者)で
保管させる場合、顧客の同意は必要ないのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 Q13:「府令」136 条に、顧客の有価証券を混蔵保管で保管する場合、「各顧客の持
分が自己の帳簿により直ちに判別できる状態で保管することにより管理する」 とありますが、この場合、帳簿に代えてコンピューターで管理する方法でも
よいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 Q14:「府令」136 条1項4号に「外国の第三者をして保管させる場合において、外
顧客の同意を得る必要があるでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 Q16:金融商品取引業者等と顧客との共有関係にあるものについての分別管理は
どうすればよいでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 Q17:証券保管振替機構(外国株券等保管振替制度により管理される国内上場
外国株式等に限る。)、海外保管機関等の第三者に保管させる場合は、
どのようにすればよいでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 Q18:分別管理をしなくてもよい有価証券がありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 Q19:登録債で保有する自己の債券を、顧客に本券条件で売却した場合、自己の
登録債を除却し本券が入庫されるまでの間は物理的に分別して保管するこ とは不可能です。このような状態は分別管理義務に違反するとみなされる
のでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 Q20:保護預りしているCPの償還について、金融商品取引業者が当該CPの償還金
の支払場所となっている銀行に口座を有していない場合、当該金融商品取引業者 の取引銀行にCPを持ち込みますが、現金化されるまで一日程度要するため、 償還日前日に持ち込んでいます。当該CPは償還日前日に出庫扱いとなりますが、 分別管理上、搬送中と同様の取扱いと整理して、償還日前日までは有価証券の
分別管理と考えてよいですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 Q21:顧客からの保護預り有価証券や預り金のうち、出庫・出金する予定で支店
等に移送したものの、顧客が来店しなかったことなどから実際に受け渡せ なかったことにより、結果として支店等に滞留している分については、分
別管理しなければならないのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 Q22:自社保管分の顧客有価証券について、現物実査の結果、残高に不一致が認
められた場合、又は、第三者保管分の顧客有価証券について、当該第三者 保管機関の寄託残高証明と自社の帳簿の残高に不一致が認められた場合、
分別管理の観点からどのように対応すればよいですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
3.金銭等の分別管理
Q23:顧客から預託を受けた金銭及び再担保に供された代用有価証券の時価相当
額を顧客分別金として信託する背景は何ですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 Q24:「金商法」43 条の2・2項で顧客分別金として管理が義務付けられている
「顧客から預託を受けた金銭」とはどういうものですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 Q25:「金商法」43 条の2・2項、顧客分別金として管理が義務付けられている
「顧客の計算に属する金銭」とはどういうものですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 Q26:利金、償還金、収益分配金等を発行体等から受け入れた場合、その顧客分
については、いつの時点から、顧客分別金の対象とする必要がありますか。 ・・・・・・・・・・・ 13 Q27:金融商品取引業者等が顧客から買付代金を小切手で受け入れた場合、資金化
含まなければならないもの、又は控除することができるものはありますか。・・・・・・・・・ 15 Q29:顧客分別金の計算の際に、顧客に対する立替金を控除することはできますか。 ・・・・・・・・・ 15 Q30:顧客分別金の計算対象とならない受入保証金はありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 Q31:(削除)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 Q32:機械終了後に顧客からの入金(締め後入金)があった場合や夜遅くに郵便
局の電信振替による振込入金があった場合、実務上、当日分として算入す
ることが困難であるため、翌日の顧客分別金として計算してもよいですか。 ・・・・・・・・・・・ 16 Q33:顧客から受領した源泉税等(特定口座に係るものを含みます。)についても、
顧客分別金として計算する必要がありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 Q34:金融商品取引業者がかつて保有していた株式について、実質的な所有者が
当該株式の名義書換を失念していたために、当該金融商品取引業者が配当金
を受け取ることがありますが、このような配当金は分別管理の対象になりますか。 ・・・・・ 17 Q35:新規口座を開設する前に振込送金された一時預り金、氏名相違等による組
戻手続き中の一時預り金及び該当顧客のない不明振込入金による一時預り 金等の不明入金が確認された場合、分別管理の観点からどのように対応す
ればよいですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 Q36:担保に供された有価証券については、時価により顧客分別金相当額を計算
することとされていますが、この場合の時価はどのように計算するのですか。 ・・・・・・・・・ 18 Q37:預り金が外貨である場合、顧客分別金として計算するに当たって、換算レー
トには何を用いればよいのですか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
4.顧客分別金信託
Q38:受益者代理人はどのような役割を担うのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 Q39:前問の①の受益者代理人には、誰を選任すればよいでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 Q40:顧客分別金信託として利用できる信託にはどのようなものがありますか。 ・・・・・・・・・・・・・ 21 Q41:「金銭の信託」は、どのようなものに運用できますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 Q42:「金銭の信託」の運用対象として、債券が認められていますが、現金担保付
きの債券貸借取引も対象としてよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 Q43:「金銭の信託」の運用対象として、預金が認められていますが、譲渡性預金
証書(CD)も対象としてよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 Q44:元本補てん契約付指定金銭信託の運用対象はどうなっているのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 24 Q45:「有価証券の信託」に信託することのできる有価証券の種類及び掛け目に
すか。よい場合、あらかじめ定めていない任意の日でもよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 27 Q50:差替計算基準日が土曜日・日曜日・祝日と重なった場合はどうすればよい
のですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 Q51:顧客分別金の必要額は、差替計算基準日当日の額をベースにして計算する
のですか。それとも1週間の残高の平均等をベースにして計算するのですか。 ・・・・・・・・・ 28 Q52:差替計算基準日において、顧客分別金の必要額よりも信託している額の方
が多ければ、差替日に差替えをしなくてもよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 Q53:顧客分別金の差替えに当たって、追加で差し入れるべき金額があった場合、
実際の額以上の額を追加してもよいのでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 Q54:差替計算基準日以降差替日までの間に顧客から預かった金銭で、差替日まで
の間に決済する場合あるいは顧客に返す場合には、差替日に顧客分別金と
して信託しなくてもよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 Q55:差替計算基準日(対象有価証券関連店頭デリバティブ取引等に係る顧客
分別金信託の場合は、顧客分別金の必要額に満たないこととなった日)に
おける信託財産の元本の評価額の計算は、誰が行うのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 Q56:信託財産である有価証券の評価額は、どのように計算するのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 Q57:「金銭の信託」について、国債又は「保有できる有価証券」での運用を行った
場合、信託財産の元本評価額の計算は、差替計算基準日(対象有価証券関連 店頭デリバティブ取引等に係る顧客分別金信託の場合は、顧客分別金の必要額 に満たないこととなった日)の時価により算出すればよいのですか。あるいは 有価証券信託と同様、時価に「告示に定める率」を乗じて算出する必要がある
のですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 Q58:元本補てん契約付きの金銭信託の信託財産の評価額はどのようになるので
すか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 Q59:元本補てん契約付きの金銭信託の信託財産の元本補てんは、いつの時点で
行われるのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 Q60:募集等受入金とは、どのようなものですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 Q61:顧客分別金として信託された募集等受入金については、通常の差替日以外
に信託財産から引き出すことができますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 Q62:前回の差替計算基準日の翌日以降、次の差替計算基準日までに顧客から受
け入れた募集等受入金のうち、次の差替日までの間に払込日が来るものに
ついても、顧客分別金として、差替日に信託しなければなりませんか。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 32 Q63:募集等受入金に類似した顧客からの預り金であれば、募集等受入金と同様
に、払込日等に信託財産から解約することができますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 Q64:引受主幹事が販売委託先金融商品取引業者等を通じて受け入れた募集等受入金
に相当する金銭又は小切手については顧客分別金必要額の計算対象となりますが、 差替日に顧客分別金として信託後、次の差替日までの間に、発行会社等へ
ますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 Q65:顧客分別金信託を委託している契約先の信託銀行を変更することはできま
すか。その場合、どのような点に気を付ければよいでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 Q66:顧客分別金信託を解約又は一部解約できるのは、どのような場合ですか。 ・・・・・・・・・・・・・ 33 Q67:顧客分別金の差替計算基準日等のスケジュールを変える場合には、どのよ
うにすればよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 Q68:信託財産の計算期日に、信託財産評価額が顧客分別金必要額を下回った場
合、分別金を追加する必要がありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 Q69:通知金融商品取引業者になった場合の留意事項についてはどのようなことが
ありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 Q70:金融商品取引業者が破綻等により金融商品取引業を廃止する場合において、
有価証券の預託を受けた顧客に対しては必ずその有価証券が返還されることに
なりますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 Q71:顧客分別金信託の委託先である信託銀行が破綻等に陥った場合、顧客分別
金信託はどうなるのでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
5.信用取引
Q72:信用取引の分別管理についての基本的考え方はどのようなものですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 37 Q73:信用取引において、分別管理の対象となるものは何ですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 Q74:(削除)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 Q75:代用有価証券のうち、再担保に供しない場合はどのようにするのですか。 ・・・・・・・・・・・・・ 38 Q76:代用有価証券のうち、再担保に供する場合(会員等から証券金融会社、
金融商品取引所の会員等ではない金融商品取引業者(以下「非会員等」と いいます。)から母店金融商品取引業者等に供する場合を除く。)はどの
ようにすればよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 Q77:委託保証金現金と、再担保に供する代用有価証券の時価相当額は、全て顧
客分別金として信託しなければならないのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 Q78:委託保証金現金と、再担保に供する代用有価証券の時価相当額から控除で
きる金額(信用取引の評価損失等)については、必ず控除しなければなら ないのですか。控除しなくてよい場合、顧客によって任意に控除したりし
なかったりしてもよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 Q79:信用取引に係る受入保証金として預託された金銭等に係る顧客分別金から
控除することができる「評価損の額」は、具体的にどのように計算するの
Q81:顧客の代用有価証券を証券金融会社又は母店金融商品取引業者等に差し入れる 場合、顧客毎にみて保証金等必要額以上のものを入れることは差し支えない のですか。また、逆に、顧客毎にみて保証金等必要額に満たないケースが部分
的にあっても差し支えないのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 Q82:代用有価証券の所有権が顧客に留保されていることは、何によって明示さ
れているのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 Q83:「証券金融会社又は母店金融商品取引業者等が、非調達取引に関して金融商品
取引業者に対して有する債権の金額に充当することを目的として、特定代用 有価証券(顧客の代用有価証券)を処分しないこととされている」ことは、
何によって決められますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 Q84:非会員等から母店金融商品取引業者等に対して、顧客の代用有価証券を顧客の
信用取引の担保として差し入れる場合にも、更新差金のやり取りが必要になる
のですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 Q85:顧客の信用取引の評価益については、顧客分別金として信託する必要があ
りますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 Q86:金融商品取引業者が破綻した場合、信用取引を行っていた顧客の建玉はどう
なりますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 Q87:発行日取引の分別管理についても、信用取引と同じように扱ってよいので
すか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47
6.金融商品取引所に上場されているデリバティブ取引
Q88−1:金融商品取引所に上場されているデリバティブ(先物・オプション)取引の
分別管理はどのように行えばよいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48
7.対象有価証券関連店頭デリバティブ取引等
Q88−2:対象有価証券関連店頭デリバティブ取引等の分別管理はどのように行えば
よいのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 Q88−3:対象有価証券関連店頭デリバティブ取引等に関して、適格機関投資家等が
相手方となるものについては、分別管理義務の対象から除外されていますが、
顧客に返還すべき額を分別管理の対象に含めてはいけませんか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 Q88−4:対象有価証券関連店頭デリバティブ取引等に係る顧客分別金信託と通貨関連
デリバティブ取引等に係る顧客区分管理信託をまとめて1つの信託契約で
締結する場合に、分別管理上、留意すべき点はありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 Q88−5:顧客との店頭デリバティブ取引について原資産の別(有価証券、金利、
通貨等)にかかわりなく、商品横断的に店頭デリバティブ取引から生じる 与信を担保する目的で、顧客から金銭及び有価証券の預託を受けている
場合に、分別管理上、留意すべき点はありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51 Q88−6:現に顧客より預託を受けている金銭又は有価証券を「金商法」43条の2に
この場合においては、同一の顧客において、対象有価証券関連店頭 デリバティブ取引等において評価益(顧客側)が生じており、通貨 関連デリバティブ取引等において評価損(顧客側)が生じている ときは、「金商法」第43条の2の顧客分別金必要額はどのように
計算されますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52 Q88−7:対象有価証券関連店頭デリバティブ取引等を決済した場合に顧客に生じる
評価損又は評価益の時価の算定において、留意すべき点はありますか。 ・・・・・・・・・・・ 54
8.外国証券取引
Q89:外国証券取引については、国内において顧客との決済が行われる日と現地 で決済が行われる日に差がある場合がありますが、分別管理及び顧客分別
金はどのように取り扱いますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55 Q89−2:外国証券について、株式分割等により発行会社から割当てられた証券
(売買単位未満の証券や新株予約権等の権利に当たるものに限る。) については、金融商品取引業者がこれを換金化した後で保有顧客に 分配するという実務が行われていますが、この場合に、分別管理上、
留意すべき点はありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55 Q89−3:いわゆる破綻株式(外国で発行されたものに限る)について、
分別管理上、留意すべき点はありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
9.フェイル
Q90:DVP決済が導入されている金融商品取引所において、フェイルが生じた場合
の分別管理はどのように行うのですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 Q91:DVP決済が導入されている金融商品取引所に上場されている銘柄について、
顧客から売却注文を受け、金融商品取引所との間では決済を行いましたが、 受渡日までに顧客から売却有価証券の入庫がありませんでした。この場合、
当該売却代金相当額は顧客分別金として分別管理しなければなりませんか。 ・・・・・・・・・・・ 58 Q92:日銀の参加者として、即時グロス決済制度に則り国債の売買を自己の勘定
で行っている場合において、取引相手方(機関投資家である顧客)がフェ
イルした場合、分別管理の観点からどのように対応すればよいですか。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 59 Q93:日銀の即時グロス決済制度以外のいわゆる相対取引において、受渡日に有
価証券の受渡遅延があった場合、受渡日に売却代金相当額を顧客分別金と
して計算する必要がありますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
おいては、国内決済がT+1であるのに対し、時差等の関係から制度的にT+2と することができるようにされていますが、このような場合、この1日分の評価益
(決済益)は、顧客分別金として計算しなければなりませんか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
11.その他
Q97:有価証券の累積投資を行う顧客から買付代金を受領する際に、集金代行業者(注) を利用する場合があります。この場合に、実際に「証券会社の預金口座」に 「有価証券の買付代金相当額」が振り込まれるまでの期間、集金代行業者に滞留 している「有価証券の買付代金相当額」について、分別管理の観点からどのように 対応すればよいですか。
(注)集金代行業者とは、各種料金等の自動引落し(口座振替)サービスを提供する事業者を いいます。証券会社が利用している集金代行サービスとしては、例えば、毎月一定日に 「投資家(顧客)指定の預金口座」から自動引落しにより有価証券の買付代金等を集金し、
事務処理の後に、「証券会社の預金口座」に金銭の振込みを行うものが一般的です。・・・・・・・・・・・ 61
1 . 総
論
Q 1 : 分 別 管 理 と は ど う い う こ と で す か 。
A : 分 別 管 理 と は 、 簡 単 に い え ば 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 金 銭 ・ 有 価 証 券 に つ い て 、 万 一 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 経 営 が 破 綻 し た 場 合 で も 確 実 に 顧 客 に 返 還 で き る よ う に 、 管 理 す る こ と を い い ま す 。
そ の た め に は 、 有 価 証 券 に つ い て は 、 顧 客 の 有 価 証 券 を そ の 他 の 有 価 証 券 と 区 分 し て 管 理 す る こ と が 必 要 で あ り 、 ま た 、 金 銭 等 に つ い て は 、 顧 客 分 別 金 信 託 と し て 、 信 託 銀 行 に 信 託 す る こ と が 必 要 で す 。
こ れ ら の 措 置 が 講 じ ら れ て い れ ば 、 仮 に 金 融 商 品 取 引 業 を 営 む 会 社 が 破 綻 に 陥 っ た 場 合 で も 、 法 律 上 、 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 金 銭 ・ 有 価 証 券 が そ れ ぞ れ の 顧 客 に 返 さ れ る こ と と な り ま す 。
(「 金 商 法 」 43 条 の 2 参 照 )
Q 2 : 分 別 管 理 し な け れ ば な ら な い の は 、 ど の よ う な 取 引 で す か 。
A : 分 別 管 理 の 対 象 と な る 取 引 は 、「 金 商 法 」 43 条 の 2 で 規 定 さ れ て お り 、 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 有 価 証 券 ・ 金 銭 及 び 顧 客 の 計 算 に 属 す る 有 価 証 券 ・ 金 銭 に つ い て 分 別 管 理 を し な け れ ば な ら な い こ と と な り ま す 。
さ ら に 、「 金 商 法 」 35 条 1 項 の 付 随 業 務 に 係 る 取 引 に つ い て も 、 有 価 証 券 の 貸 借 取 引 な ど を 除 い て 、「 府 令 」に よ っ て 対 象 取 引 に 含 め ら れ て い ま す 。
当 然 の こ と で す が 、「 金 商 法 」 35 条 2 項 に 定 め る 届 出 業 務 及 び 同 条 4 項 に 定 め る 承 認 業 務 に つ い て は 有 価 証 券 関 連 業 で は あ り ま せ ん の で 、 そ れ に 伴 う 預 り 資 産 は 分 別 管 理 の 対 象 で は あ り ま せ ん 。
( 注 )「 顧 客 」に は 、一 般 顧 客 に 限 ら ず 広 く 同 業 者 及 び 銀 行 等 の 適 格 機 関 投 資 家 等 も 含 ま れ ま す 。
(「 金 商 法 」 43条 の 2 、「 施 行 令 」 1 条 の 8 の 6 、 16条 の 15、 「 府 令 」 137条 、 137条 の 2 、「 告 示 56号 」 参 照 )
Q 3 : 分 別 管 理 の 対 象 外 の 取 引 に 係 る 金 銭 等 を 分 別 管 理 し て は い け ま せ ん か 。
A : 前 述 の と お り 、 分 別 管 理 し な け れ ば な ら な い 取 引 に つ い て は 、 法 令 で 定 め ら れ て お り 、 そ れ ら の 取 引 に よ っ て 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 金 銭 ・ 有 価 証 券 等 に つ い て は 、 分 別 管 理 が 義 務 付 け ら れ て い ま す 。 逆 に い え ば 、 そ れ 以 外 の 取 引 に 係 る も の に つ い て は 分 別 管 理 す る 義 務 は 法 令 上 は あ り ま せ ん が 、 そ れ ら の も の に つ い て 分 別 管 理 す る こ と に 問 題 は あ り ま せ ん 。 た だ そ の 場 合 、 法 律 上 分 別 す べ き も の と 分 別 し な く て も よ い も の と が 、 分 別 金 の 計 算 に 当 た っ て も 、 帳 簿 ( 注 ) 上 も 、 明 確 に さ れ て い る こ と が 必 要 で す 。 ( 注 ) 会 計 帳 簿 や 法 定 帳 簿 に 限 ら ず 、 補 助 簿 や ワ ー ク シ ー ト を 含 み ま す 。
ま た 、 コ ン ピ ュ ー タ ー に よ る 管 理 も 可 能 で す 。 以 下 同 じ で す 。
Q 4 : 分 別 管 理 義 務 に 違 反 し た 場 合 ど の よ う に な り ま す か 。
A : 分 別 管 理 義 務 は 、 法 令 で 定 め ら れ た も の で あ り 、 金 融 商 品 取 引 業 を 営 む 以 上 当 然 に 果 た さ な け れ ば な ら な い 義 務 で す 。 し た が っ て 、 こ の 義 務 を 守 れ な い 金 融 商 品 取 引 業 者 等 は 、 金 融 商 品 取 引 業 を 行 う 資 格 が な い こ と と な り ま す 。
「 金 商 法 」 で は 、 分 別 管 理 義 務 に 違 反 し た 場 合 、 そ の 行 為 を し た 会 社 は 6 か 月 以 内 の 業 務 停 止 等 の 行 政 処 分 、 3 億 円 以 下 の 罰 金 が 科 せ ら れ る こ と に な っ て お り 、 代 表 者 、 従 業 員 等 は 、 2 年 以 下 の 懲 役 又 は 300 万 円 以 下 の 罰 金 又 は 併 科 に 処 せ ら れ る こ と に な っ て い ま す 。
Q 5 : 分 別 管 理 の 義 務 は 、 金 融 商 品 取 引 業 者 の み に か か る の で す か 。
A : 分 別 管 理 の 義 務 は 、 金 融 商 品 取 引 業 者 の み で は な く 、 有 価 証 券 関 連 業 を 営 む 金 融 機 関 に も 課 さ れ て い ま す 。 し た が っ て 、 有 価 証 券 関 連 業 の 登 録 を し た 金 融 機 関 は 、 有 価 証 券 関 連 業 に 係 る 顧 客 と の 取 引 に つ い て は 、 分 別 管 理 を 行 わ な け れ ば な り ま せ ん 。
2 . 有 価 証 券 の 分 別 管 理
Q 6 : 有 価 証 券 は ど の よ う に 分 別 管 理 す れ ば よ い の で す か 。
A : 有 価 証 券 の 分 別 管 理 の 方 法 は 、 ① 混 蔵 保 管 以 外 の 場 合 ( 単 純 保 管 ) と 、 ② 混 蔵 保 管 の 場 合 と 、 ③ 振 替 法 ( 注 1 ) に 基 づ く 口 座 管 理 で 異 な り ま す 。 ① の う ち 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 自 社 で 保 管 す る 場 合 に は 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 自 己 の 固 有 財 産 と 分 別 し て 管 理 し な け れ ば な ら な い 有 価 証 券 (「 顧 客 有 価 証 券 」 と い い ま す 。) の 保 管 場 所 と 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 固 有 財 産 で あ る 有 価 証 券 等 の 顧 客 有 価 証 券 以 外 の 有 価 証 券 (「 固 有 有 価 証 券 等 」 と い い ま す 。) の 保 管 場 所 を 明 確 に 区 分 し 、 顧 客 有 価 証 券 に つ い て は 、 ど の 顧 客 の 有 価 証 券 で あ る か が 直 ち に 判 別 で き る よ う に 、 顧 客 別 あ る い は 証 券 の 記 番 号 順 等 に よ り 保 管 す る こ と に よ り 管 理 し な け れ ば な り ま せ ん 。
① の う ち 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 第 三 者 に 保 管 さ せ る 場 合 に も 、 前 記 と 同 様 に 保 管 す る こ と に よ り 管 理 さ せ る 必 要 が あ り ま す 。
② の う ち 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 自 社 で 保 管 す る 場 合 に は 、 顧 客 有 価 証 券 の 保 管 場 所 と 固 有 有 価 証 券 等 の 保 管 場 所 を 明 確 に 区 分 し 、 各 々 の 顧 客 の 持 分 に つ い て 、 自 社 の 帳 簿 で 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 す る こ と に よ り 管 理 す る 必 要 が あ り ま す 。
② の う ち 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 第 三 者 に 保 管 さ せ る 場 合 に は 、 第 三 者 に お い て 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 自 身 の 取 引 の 口 座 と 顧 客 の た め の 口 座 を 区 分 す る 等 の 方 法 に よ り 、顧 客 有 価 証 券 に 係 る 持 分 が 直 ち に 判 別 で き 、か つ 、 各 々 の 顧 客 の 持 分 が 自 社 の 帳 簿 に よ り 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 さ せ る こ と に よ り 管 理 す る 必 要 が あ り ま す 。
③ に つ い て は 、 振 替 法 に 基 づ く 振 替 口 座 簿 に お い て 、 顧 客 有 価 証 券 と し て 明 確 に 管 理 す る 必 要 が あ り ま す ( 注 2 )。
( 注 1 ) 振 替 法 と は 、「 社 債 、 株 式 等 の 振 替 に 関 す る 法 律 」 を い い ま す 。 ( 注 2 ) 金 融 商 品 取 引 業 者 の 保 有 欄 に 記 載 又 は 記 録 を 行 う と き は 、 当 該 金
融 商 品 取 引 業 者 の 取 引 の た め の 欄 と 区 分 す る 必 要 が あ り ま す 。
Q 7 : 「 金 商 法 」43 条 の 2 ・ 1 項 で 分 別 管 理 し な け れ ば な ら な い と さ れ て い る 「 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 有 価 証 券 」 及 び 「 顧 客 の 計 算 に お い て 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 占 有 す る 有 価 証 券 」 と は ど の よ う な も の で す か 。
A : 売 付 け の た め に 顧 客 か ら 一 時 的 に 預 託 を 受 け た 有 価 証 券 ( 委 任 契 約 に よ る 場 合 )、 並 び に 保 護 預 り 契 約 ( 単 純 な 寄 託 契 約 又 は 混 蔵 寄 託 契 約 に よ る 場 合 )、 振 替 決 済 口 座 管 理 契 約 又 は 消 費 寄 託 契 約 に 基 づ き 顧 客 か ら 受 け 入 れ た 有 価 証 券 が こ れ に 該 当 し ま す 。 た だ し 、 こ れ ら の う ち 、 消 費 寄 託 契 約 に 基 づ く 有 価 証 券 は 分 別 管 理 の 対 象 か ら 除 外 さ れ て い ま す 。
ま た 、 信 用 取 引 受 入 保 証 金 代 用 有 価 証 券 及 び 先 物 取 引 受 入 証 拠 金 代 用 有 価 証 券( 金 融 商 品 取 引 業 者 が 質 権 者 で あ る 場 合 )、顧 客 が 買 い 付 け た 有 価 証 券 で 受 渡 し ま で の 間 、 一 時 的 に 預 託 を 受 け て い る も の な ど も こ れ に 該 当 し ま す 。 た だ し 、 信 用 取 引 受 入 保 証 金 代 用 有 価 証 券 で 再 担 保 に 供 し た も の の う ち 、 そ の 相 当 額 を 顧 客 分 別 金 と し て 信 託 銀 行 に 信 託 し て い る も の に つ い て は 、 有 価 証 券 そ の も の の 分 別 管 理 は 必 要 あ り ま せ ん 。 ま た 、 先 物 取 引 受 入 証 拠 金 代 用 有 価 証 券 の う ち 金 融 商 品 取 引 所( 日 本 証 券 ク リ ア リ ン グ 機 構 ) へ 直 接 預 託 し て い る も の に つ い て は 、 別 途 、 分 別 管 理 す る 必 要 は あ り ま せ ん 。
(「 金 商 法 」 43 条 の 2 ・ 1 項 、「 施 行 令 」 1 条 の 8 の 6 、 16 条 の15、 「 府 令 」 137 条 、 137 条 の 2 参 照 )
Q 8 : 「 金 商 法 」 43 条 の 2 ・ 1 項 で 分 別 管 理 の 対 象 か ら 除 か れ て い る「 契 約 に よ り 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 消 費 で き る 有 価 証 券 」 と は ど の よ う な も の で す か 。
A : 信 用 取 引 に お け る い わ ゆ る 本 担 保 証 券 、 消 費 寄 託 契 約 に 基 づ く 有 価 証 券 等 が こ れ に 該 当 し ま す 。
A : 「 顧 客 有 価 証 券 以 外 の 有 価 証 券 」 と は 、 主 に 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 自 己 の 固 有 財 産 で あ る 有 価 証 券 を 指 し ま す が 、 そ れ 以 外 の 顧 客 の 有 価 証 券 以 外 の 有 価 証 券 は 全 て こ の 範 疇 に 含 ま れ る こ と に な り ま す 。
(「 府 令 」 136 条 1 項 参 照 )
Q 10: 「 府 令 」 136 条 1 項 1 号 に 、「 顧 客 有 価 証 券 の 保 管 場 所 に つ い て 固 有 有 価 証 券 等 ( 顧 客 有 価 証 券 以 外 の 有 価 証 券 ) の 保 管 場 所 と 明 確 に 区 分 し 」 と あ り ま す が 、 そ の た め に は 金 庫 を 別 々 に し な け れ ば な ら な い の で す か 。
A : 保 管 場 所 を 明 確 に 区 分 す る と は 、 顧 客 の 有 価 証 券 と そ れ 以 外 の 有 価 証 券 と が 、 誰 が 見 て も 物 理 的 に 区 分 さ れ て い る よ う に 保 管 す る こ と を い い ま す 。 保 管 の た め の 金 庫 が 別 々 に な っ て い る こ と が 望 ま し い の で す が 、 一 つ の 金 庫 内 に お い て で あ っ て も 、 そ れ ぞ れ 保 管 の た め の キ ャ ビ ネ ッ ト を 別 々 に す る な ど 、 客 観 的 に 見 て 物 理 的 に 明 確 に 区 分 さ れ て い れ ば よ い と 解 さ れ ま す 。
(「 府 令 」 136 条 1 項 参 照 )
Q 11: 「 府 令 」 136 条 に あ る 「 ど の 顧 客 の 有 価 証 券 で あ る か が 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 す る こ と に よ り 管 理 す る 方 法 」 と は ど の よ う な 方 法 で す か 。
A : 「 ど の 顧 客 の 有 価 証 券 で あ る か が 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 す る こ と に よ り 管 理 す る 方 法 」 と は 、 い わ ゆ る 単 純 保 管 に よ る 方 法 の こ と で 、 ① 全 て の 有 価 証 券 を 顧 客 別 に 整 理 し て 保 管 す る 方 法 、 又 は 、 ② 証 券 は 記 番 号 順 に 整 理 し て 保 管 す る が 、 顧 客 毎 に 証 券 の 記 番 号 を 帳 簿 に よ り 特 定 す る こ と に よ り ど の 有 価 証 券 が ど の 顧 客 の も の で あ る か が 直 ち に 判 別 で き る よ う に 保 管 す る 方 法 等 を 指 し ま す 。
Q 12: 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 自 社 で 保 管 せ ず 、 ア ウ ト ソ ー シ ン グ 先 ( 第 三 者 ) で 保 管 さ せ る 場 合 、 顧 客 の 同 意 は 必 要 な い の で す か 。
A : 自 社 以 外 の 第 三 者 に 再 寄 託 し て 保 管 さ せ る 場 合 は 、 顧 客 の 同 意 を 得 る 必 要 が あ り ま す 。 海 外 の 保 管 機 関 へ の 再 寄 託 に つ い て は 、 日 本 証 券 業 協 会 の 「 外 国 証 券 の 取 引 に 関 す る 規 則 」 に 定 め る 「 外 国 証 券 取 引 口 座 約 款 」 に よ り あ ら か じ め 顧 客 の 同 意 を 得 る こ と と さ れ て い ま す 。 そ の 他 の 保 管 機 関 で 保 管 さ せ る 場 合 に は 、 各 社 が 定 め る 「 保 護 預 り 約 款 」、「 振 替 決 済 口 座 管 理 約 款 」 等 に お い て あ ら か じ め 顧 客 の 同 意 を 得 る 必 要 が あ り ま す 。
Q 13: 「 府 令 」 136 条 に 、 顧 客 の 有 価 証 券 を 混 蔵 保 管 で 保 管 す る 場 合 、「 各 顧 客 の 持 分 が 自 己 の 帳 簿 に よ り 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 す る こ と に よ り 管 理 す る 」 と あ り ま す が 、 こ の 場 合 、 帳 簿 に 代 え て コ ン ピ ュ ー タ ー で 管 理 す る 方 法 で も よ い の で す か 。
A : コ ン ピ ュ ー タ ー で 管 理 す る 方 法 で も よ い こ と に な り ま す 。
(「 府 令 」 136 条 1 項 参 照 )
Q 14: 「 府 令 」 136 条 1 項 4 号 に 「 外 国 の 第 三 者 を し て 保 管 さ せ る 場 合 に お い て 、 外 国 の 法 令 上 当 該 第 三 者 を し て 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 持 分 と 固 有 有 価 証 券 等 に 係 る 持 分 と を 区 分 し て 管 理 さ せ る こ と が で き な い と き 、 そ の 他 当 該 第 三 者 に お い て 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 持 分 が 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 さ せ る こ と が で き な い こ と に つ い て 特 に や む を 得 な い 事 由 が あ る と 認 め ら れ る と き 」 と は 、 具 体 的 に ど の よ う な 場 合 を 想 定 し て い る の で す か 。
る 場 合 に は 、 複 数 口 座 を 開 設 し 、 そ れ ら を 区 分 す る 等 の 方 法 に よ り 、 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 持 分 が 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 管 理 さ せ 、 か つ 当 該 有 価 証 券 に 係 る 各 顧 客 の 持 分 が 自 己 の 帳 簿 に よ り 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 管 理 す る 必 要 が あ り ま す 。
(「 府 令 」 136 条 1 項 4 号 参 照 )
Q 15: 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 有 価 証 券 を 混 蔵 保 管 以 外 の 方 法 ( 単 純 保 管 ) に す る か 混 蔵 保 管 に す る か は 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 任 意 で よ い の で す か 。 そ れ と も 顧 客 の 同 意 を 得 る 必 要 が あ る で し ょ う か 。
A : 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 有 価 証 券 を ど の よ う に 管 理 す る か は 、 寄 託 契 約 又 は 振 替 決 済 口 座 管 理 契 約 に お い て 、 あ ら か じ め 顧 客 と の 間 で 契 約 す べ き 事 項 の う ち の 一 つ で あ り 、通 常「 保 護 預 り 約 款 」、「 振 替 決 済 口 座 管 理 約 款 」、 「 外 国 証 券 取 引 口 座 約 款 」 及 び 「 累 積 投 資 約 款 」 等 で 定 め ら れ て い ま す 。
有 価 証 券 の 種 類 又 は 銘 柄 に よ っ て は 流 通 性 を 高 め る た め 、 各 々 の 顧 客 毎 の 持 分 に 対 応 し た 券 面 が 制 度 的 に 発 行 さ れ な い 有 価 証 券 ( 振 替 法 に 基 づ く 口 座 管 理 が な さ れ る も の を 除 く 。)も あ り ま す し 、ま た 、券 面 が 顧 客 持 分 毎 に 発 行 さ れ て い た と し て も 保 管 機 関 な ど そ の 券 面 ( 証 券 記 番 号 ) が 誰 か ら の 受 寄 物 か が 制 度 的 に 特 定 さ れ な い 場 合 も あ り ま す 。 こ の た め 、 こ れ ら の 有 価 証 券 に 関 し て は 共 有 持 分 又 は 混 蔵 寄 託 と し て 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 帳 簿 に よ り 顧 客 毎 の 持 分 を 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 す る こ と と さ れ て い ま す 。
Q 16: 金 融 商 品 取 引 業 者 等 と 顧 客 と の 共 有 関 係 に あ る も の に つ い て の 分 別 管 理 は ど う す れ ば よ い で し ょ う か 。
の で 、 各 顧 客 の 持 分 が 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 帳 簿 に よ り 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 管 理 す れ ば よ い こ と に な り ま す 。
(「 府 令 」 136 条 2 項 参 照 )
Q 17: 証 券 保 管 振 替 機 構 ( 外 国 株 券 等 保 管 振 替 制 度 に よ り 管 理 さ れ る 国 内 上 場 外 国 株 式 等 に 限 る 。)、 海 外 保 管 機 関 等 の 第 三 者 に 保 管 さ せ る 場 合 は 、 ど の よ う に す れ ば よ い で し ょ う か 。
A : 証 券 保 管 振 替 機 構 に お い て は 、 参 加 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 有 価 証 券 ( 外 国 株 券 等 保 管 振 替 制 度 に よ り 管 理 さ れ る 国 内 上 場 外 国 株 式 等 に 限 る 。) に つ い て は 一 括 し て 混 蔵 保 管 を し て い ま す が 、 そ の 持 分 に つ い て は 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 毎 に 口 座 区 分 さ れ て お り 、 更 に 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 毎 に 自 己 分 と 顧 客 分 と の 持 分 が 証 券 保 管 振 替 機 構 の 帳 簿 上 で 判 別 で き る よ う な 管 理 を し て い ま す 。し た が っ て 、そ れ に 加 え て 、各 顧 客 の 持 分 に つ い て は 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 帳 簿 で 直 ち に 分 か る よ う な 管 理 を し て い れ ば よ い こ と と な り ま す 。
海 外 保 管 機 関 に 保 管 さ せ る 場 合 に は 、 顧 客 の 口 座 と 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 自 己 の 口 座 を 区 分 す る 等 の 方 法 に よ り 、 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 持 分 が 直 ち に 判 別 で き 、 か つ 、 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 顧 客 毎 の 持 分 が 自 己 の 帳 簿 に よ り 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 さ せ る こ と に な り ま す 。 た だ し 、 外 国 の 法 令 上 第 三 者 を し て 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 持 分 と 固 有 有 価 証 券 等 に 係 る 持 分 と を 区 分 し て 保 管 さ せ る こ と が で き な い と き 、 そ の 他 そ の 第 三 者 に お い て 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 持 分 が 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 さ せ る こ と が で き な い こ と に つ い て 特 に や む を 得 な い 事 由 が あ る と 認 め ら れ る と き は 、 顧 客 有 価 証 券 に 係 る 各 顧 客 の 持 分 が 自 己 の 帳 簿 に よ り 直 ち に 判 別 で き る 状 態 で 保 管 さ せ れ ば よ い こ と に な り ま す 。
(「 府 令 」 136 条 1 項 4 号 参 照 )
全 て 分 別 管 理 し な け れ ば な り ま せ ん が 、「 契 約 に よ り 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 消 費 で き る 有 価 証 券 」 に つ い て は 、 分 別 管 理 を し な く て も よ い こ と と さ れ て い ま す 。 主 な 例 と し て は 、 信 用 取 引 の い わ ゆ る 本 担 保 証 券 、 消 費 寄 託 契 約 又 は 消 費 貸 借 契 約 に 基 づ き 受 け 入 れ た 有 価 証 券 等 が あ り ま す 。 ま た 、 信 用 取 引 顧 客 の 保 証 金 代 用 有 価 証 券 の う ち 、 再 担 保 に 供 す る も の に つ い て は 、 相 当 額 を 顧 客 分 別 金 と し て 信 託 す る こ と と な り ま す の で 、 有 価 証 券 自 体 の 分 別 管 理 は 必 要 な い こ と と な り ま す 。
(「 金 商 法 」 43 条 の 2 参 照 )
Q 19: 登 録 債 で 保 有 す る 自 己 の 債 券 を 、 顧 客 に 本 券 条 件 で 売 却 し た 場 合 、 自 己 の 登 録 債 を 除 却 し 本 券 が 入 庫 さ れ る ま で の 間 は 物 理 的 に 分 別 し て 保 管 す る こ と は 不 可 能 で す 。 こ の よ う な 状 態 は 分 別 管 理 義 務 に 違 反 す る と み な さ れ る の で し ょ う か 。
A : 本 券 が 入 庫 さ れ る ま で の 間 は 、 帳 簿 上 、 そ の 除 却 の た め の 提 出 先 、 お よ び 数 量 を 顧 客 ご と に 管 理 さ れ て い れ ば 、 分 別 管 理 は 行 わ れ て い る と い え ま す 。
Q 20: 保 護 預 り し て い る C P の 償 還 に つ い て 、 金 融 商 品 取 引 業 者 が 当 該 C P の 償 還 金 の 支 払 場 所 と な っ て い る 銀 行 に 口 座 を 有 し て い な い 場 合 、 当 該 金 融 商 品 取 引 業 者 の 取 引 銀 行 に C P を 持 ち 込 み ま す が 、 現 金 化 さ れ る ま で 一 日 程 度 要 す る た め 、 償 還 日 前 日 に 持 ち 込 ん で い ま す 。 当 該 C P は 償 還 日 前 日 に 出 庫 扱 い と な り ま す が 、分 別 管 理 上 、搬 送 中 と 同 様 の 取 扱 い と 整 理 し て 、 償 還 日 前 日 ま で は 有 価 証 券 の 分 別 管 理 と 考 え て よ い で す か 。
計 上 さ れ る 償 還 日 以 降 は 顧 客 分 別 金 必 要 額 の 対 象 と す る 必 要 が あ り ま す 。
Q 21: 顧 客 か ら の 保 護 預 り 有 価 証 券 や 預 り 金 の う ち 、 出 庫 ・ 出 金 す る 予 定 で 支 店 等 に 移 送 し た も の の 、 顧 客 が 来 店 し な か っ た こ と な ど か ら 実 際 に 受 け 渡 せ な か っ た こ と に よ り 、 結 果 と し て 支 店 等 に 滞 留 し て い る 分 に つ い て は 、 分 別 管 理 し な け れ ば な ら な い の で す か 。
A : 結 果 と し て 支 店 等 に 滞 留 し て い る 顧 客 か ら の 保 護 預 り 有 価 証 券 や 預 り 金 に つ い て も 、 有 価 証 券 関 連 業 に 係 る 顧 客 と の 取 引 に 関 し て 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 有 価 証 券 ・ 金 銭 及 び 顧 客 の 計 算 に 属 す る 有 価 証 券 ・ 金 銭 で あ り 、 分 別 管 理 の 対 象 と な り ま す 。
Q 22: 自 社 保 管 分 の 顧 客 有 価 証 券 に つ い て 、 現 物 実 査 の 結 果 、 残 高 に 不 一 致 が 認 め ら れ た 場 合 、 又 は 、 第 三 者 保 管 分 の 顧 客 有 価 証 券 に つ い て 、 当 該 第 三 者 保 管 機 関 の 寄 託 残 高 証 明 と 自 社 の 帳 簿 の 残 高 に 不 一 致 が 認 め ら れ た 場 合 、 分 別 管 理 の 観 点 か ら ど の よ う に 対 応 す れ ば よ い で す か 。
3 . 金 銭 等 の 分 別 管 理
Q 23: 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 金 銭 及 び 再 担 保 に 供 さ れ た 代 用 有 価 証 券 の 時 価 相 当 額 を 顧 客 分 別 金 と し て 信 託 す る 背 景 は 何 で す か 。
A : 金 銭 は 、基 本 的 に は 消 費 寄 託 あ る い は 消 費 貸 借 と い う 性 質 の も の で あ り 、 特 定 性 が あ り ま せ ん 。 こ の た め 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 破 綻 し た 場 合 、 金 銭 を 預 け た 顧 客 は 債 権 者 と し て 当 該 金 銭 に 係 る 返 還 請 求 権 は 持 ち ま す が 、 破 産 法 制 上 の 取 戻 権 の 対 象 に な ら な い た め 、 そ の 顧 客 に 優 先 的 に 返 戻 さ れ る も の で は あ り ま せ ん 。 そ こ で 、 投 資 者 保 護 の 観 点 か ら 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 破 綻 し た 際 に 顧 客 に 返 還 す べ き 金 額 を 全 額 円 滑 に 返 し て い く た め に は 、 顧 客 か ら の 預 り 金 は 金 融 商 品 取 引 業 者 等 の 自 己 の 金 銭 と 明 確 に 分 け て お く こ と が 必 要 で す 。 更 に 、 明 確 に 分 け た も の を 顧 客 に 戻 る よ う に す る た め に は 、 現 在 の 日 本 の 法 制 度 の 中 で は 信 託 が 一 番 安 全 な 方 法 で あ る と い う こ と か ら 、 相 当 す る 金 銭 を 信 託 す る こ と に な っ て い ま す 。
ま た 、 代 用 有 価 証 券 の う ち 、 再 担 保 に 供 さ れ た も の に つ い て は 、 債 権 者 ( 担 保 差 入 先 ) の 債 権 に 対 す る 担 保 物 と し て 別 除 権 が 行 使 さ れ ま す の で 、 一 般 的 に こ れ を 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 差 し 入 れ た 顧 客 へ は 返 戻 さ れ な い 蓋 然 性 が 高 い と 考 え ら れ る た め 、 再 担 保 証 券 の 時 価 相 当 額 を 顧 客 分 別 金 と し て 信 託 す る こ と と さ れ て い ま す 。
(「 金 商 法 」 43 条 の 2 ・ 2 項 参 照 )
Q 24: 「 金 商 法 」43 条 の 2 ・ 2 項 で 顧 客 分 別 金 と し て 管 理 が 義 務 付 け ら れ て い る 「 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 金 銭 」 と は ど う い う も の で す か 。
A : 「 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 金 銭 」 と は 、 顧 客 が 有 価 証 券 の 買 付 代 金 に 充 当 す る た め 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 当 該 顧 客 か ら 一 時 的 に 預 託 を 受 け た 金 銭 等 、 有 価 証 券 関 連 業 に 係 る 顧 客 と の 取 引 に 関 し て 顧 客 か ら 受 け 入 れ た 金 銭 を い い ま す 。
Q 25: 「 金 商 法 」 43 条 の 2 ・ 2 項 で 、顧 客 分 別 金 と し て 管 理 が 義 務 付 け ら れ て い る 「 顧 客 の 計 算 に 属 す る 金 銭 」 と は ど う い う も の で す か 。
A : 「 顧 客 の 計 算 に 属 す る 金 銭 」 と は 、 有 価 証 券 関 連 業 に 係 る 顧 客 と の 取 引 に 関 し て 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 保 有 す る 顧 客 の 有 価 証 券 の 売 付 代 金 、 利 金 、 償 還 金 等 を い い ま す 。
(「 金 商 法 」 43 条 の 2 ・ 2 項 参 照 )
Q 26: 利 金 、 償 還 金 、 収 益 分 配 金 等 を 発 行 体 等 か ら 受 け 入 れ た 場 合 、 そ の 顧 客 分 に つ い て は 、 い つ の 時 点 か ら 、 顧 客 分 別 金 の 対 象 と す る 必 要 が あ り ま す か 。
A : 利 金 、 償 還 金 、 収 益 分 配 金 等 ( 信 用 取 引 に 係 る 配 当 金 相 当 額 を 含 む 。 以 下 「 利 金 等 」 と い い ま す 。) に つ い て 、 顧 客 へ の 支 払 日 以 前 に 発 行 体 か ら 利 金 等 相 当 額 を 受 け 入 れ た 場 合 で も 当 該 利 金 等 に 係 る 利 札 等 が 分 別 管 理 さ れ て い れ ば 、 当 該 利 金 等 相 当 額 を 顧 客 分 別 金 と し て 計 算 す る 必 要 は あ り ま せ ん 。 し か し 当 該 利 金 等 相 当 額 の 受 け 入 れ と 引 換 え に 、 発 行 体 等 に 利 札 等 を 引 き 渡 し て い る 場 合 に は 、 当 該 利 金 等 相 当 額 を 顧 客 分 別 金 と し て 計 算 す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ ま す 。
ま た 、 顧 客 へ の 支 払 日 当 日 で な い と 発 行 体 等 か ら 利 金 等 の 支 払 が な い よ う な 場 合 に お い て は 、 あ ら か じ め 顧 客 毎 の 持 分 を 計 算 し 、 顧 客 へ の 利 金 等 の 支 払 日 に は 、 顧 客 毎 に 当 該 利 金 等 を 顧 客 分 別 金 と し て 計 算 で き る 体 制 を 整 備 す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ ま す 。
な お 、 発 行 体 の 財 務 状 態 に 鑑 み 、 利 金 等 の 支 払 が 既 定 ど お り 支 払 わ れ る か ど う か 確 認 を 要 す る 場 合 に は 、 既 定 の 顧 客 へ の 支 払 日 に か か わ ら ず 、 実 際 に 発 行 体 か ら 入 金 さ れ た 日 に 顧 客 分 別 金 と し て 計 算 で き て い れ ば 分 別 管 理 の 要 件 を 満 た す も の と 考 え ら れ ま す 。
Q 27: 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 顧 客 か ら 買 付 代 金 を 小 切 手 で 受 け 入 れ た 場 合 、 資 金 化 さ れ る ま で の 間 は 顧 客 分 別 金 の 対 象 と す る 必 要 が あ り ま す か 。
A : 小 切 手 で あ っ て も 、 当 該 受 入 日 を も っ て 顧 客 勘 定 で 入 金 処 理 さ れ る た め 、 「 顧 客 か ら 預 託 を 受 け た 金 銭 」 に 該 当 し 、 顧 客 分 別 金 の 対 象 と す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ ま す 。 こ れ は 、 当 該 小 切 手 が 他 店 券 で 実 際 に 資 金 化 す る ま で 1 日 程 度 の 時 間 が か か る と し て も 、 同 様 の 対 応 が 必 要 で あ る と 考 え ま す 。 た だ し 、 顧 客 か ら 当 該 他 店 券 を 有 価 証 券 の 買 付 代 金 と し て 受 け 入 れ 、 顧 客 分 別 金 の 計 算 対 象 と し た 後 、 受 渡 日 以 降 に お い て 、 買 い 付 け た 有 価 証 券 が 分 別 管 理 さ れ て い れ ば 、 当 該 他 店 券 は 顧 客 分 別 金 と し て 計 算 す る 必 要 は な い と 考 え ま す 。
(「 金 商 法 」 43 条 の 2 ・ 2 項 参 照 )
Q 28− 1 : 顧 客 分 別 金 の 計 算 に 当 た っ て は 、 顧 客 毎 に 計 算 し な け れ ば な ら な い の で す か 。
A : 顧 客 分 別 金 の 額 は 、 顧 客 毎 に 計 算 し な け れ ば な り ま せ ん 。 そ し て 、 こ の 算 定 額 を 合 計 し た 額 が 顧 客 分 別 金 必 要 額 と な り ま す 。
ま た 、「 金 商 法 」 43 条 の 2 ・ 2 項 2 号 に 規 定 す る 対 象 有 価 証 券 関 連 取 引 の う ち 、 ① 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 、 ② 外 国 市 場 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 、 ③ 選 択 権 付 債 券 売 買 取 引 ( 以 下 「 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 」 と い い ま す 。)に 係 る 顧 客 分 別 金 の 額 及 び 顧 客 分 別 金 必 要 額 の 算 定 に つ い て も 同 様 の 取 扱 い と な り ま す 。 な お 、 上 記 ① 及 び ③ の 取 引 の う ち 、 第 一 種 金 融 商 品 取 引 業 者 、登 録 金 融 機 関 、適 格 機 関 投 資 家 及 び 資 本 金 10 億 円 以 上 の 株 式 会 社 等 を 相 手 方 と す る 取 引 に つ い て は 、 分 別 管 理 の 対 象 か ら 除 か れ て い ま す 。
Q 28− 2 : 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 に 係 る 顧 客 分 別 金 の 計 算 の 際 に 、 含 ま な け れ ば な ら な い も の 、 又 は 控 除 す る こ と が で き る も の は あ り ま す か 。
A : 顧 客 分 別 金 の 計 算 に 当 た り 、 府 令 140 条 の 2 の 金 銭 の 額 に は 「 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 を 決 済 し た 場 合 に 顧 客 に 生 ず る こ と と な る 利 益 の 額 を 含 む も の と し 、 当 該 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 を 決 済 し た 場 合 に 顧 客 に 生 ず る こ と と な る 損 失 の 額 を 控 除 す る こ と が で き る 」 こ と と さ れ て い ま す 。
ま た 、同 条 の 規 定 に よ る 顧 客 ご と の 額 の 算 定 に 当 た っ て は 、「 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 顧 客 と の 間 に お い て 一 括 清 算 の 約 定 を し た 基 本 契 約 書 に 基 づ き 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 を 行 っ て い る 場 合 に お い て 、 当 該 算 定 の 時 に お い て 、 当 該 顧 客 に 一 括 清 算 事 由 が 生 じ た 場 合 に 当 該 基 本 契 約 書 に 基 づ い て 行 わ れ て い る 特 定 金 融 取 引 に つ い て 、 当 該 一 括 清 算 事 由 が 生 じ た 時 に お け る 評 価 額 で 当 該 顧 客 の 評 価 損 と な る も の ( 当 該 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 に 係 る も の を 除 く 。)が あ る と き は 、当 該 基 本 契 約 書 に 基 づ き 対 象 有 価 証 券 関 連 店 頭 デ リ バ テ ィ ブ 取 引 等 を 決 済 し た 場 合 に お い て も 顧 客 の 保 護 に 支 障 を 生 ず る こ と が な い と 認 め ら れ る 限 り に お い て 、 当 該 評 価 損 の 額 を 控 除 す る こ と が で き る 。」 こ と と さ れ て い ま す 。
(「 府 令 」 140 条 の 2 、 140 条 の 3 参 照 )
Q 29: 顧 客 分 別 金 の 計 算 の 際 に 、 顧 客 に 対 す る 立 替 金 を 控 除 す る こ と は で き ま す か 。
A : 顧 客 毎 の 顧 客 分 別 金 の 計 算 に 当 た っ て は 、 金 融 商 品 取 引 業 者 等 が 顧 客 に 対 し て 有 す る 有 価 証 券 の 買 付 代 金 の 立 替 金 の う ち 、 そ の 買 付 け に 係 る 有 価 証 券 に つ い て「 金 商 法 」43 条 の 2・1 項 の 分 別 管 理 が な さ れ て い る も の に 限 り 、 そ の 額 を 当 該 顧 客 に 係 る 顧 客 分 別 金 の 額 か ら 控 除 す る こ と が で き ま す 。